加陽麻里布さんに聞いた
「相続対策を間違えないための秘訣」とは?
~「サラス」で叶える孤独からの解放・安心の相続~
相続対策の必要性を理解していても、具体的な手順や手続きとなると不安を覚える人も少なくないはずです。そこで今回は、相続支援サービス「サラス」とコラボレーションしてサービスを提供する司法書士の加陽麻里布さんをお招きして、相続対策を失敗しないための秘訣をお伺いしました。正しい知識を得ることと同時に、専門家や家族と一緒に向きあうことやツールを活用することも大切なことだそう。一人で悩まないことこそが安心の相続に繋がるのだそうです。
自身が代表を務める永田町司法書士事務所にて、司法書士として活動している加陽麻里布(かよう・まりの)さん。相続に関する相談を受けることも多く、事業経営者からの依頼も少なくないそう。これまでの経験をもとに、スムーズな相続対策についての考えを教えてもらいました。
司法書士が見てきた、相続対策に潜む落とし穴とは?

――まずお伺いしたいことが、なぜ相続対策において「不動産投資」を検討する人が多いのでしょうか?
加陽
不動産投資を行うことで相続税の課税額を圧縮して節税に繋げることができるからです。相続財産の価値を計算する際、土地や建物は時価の約7~8割で評価されるのが原則です。また、不動産購入の際に借入を利用したり、取得した不動産を賃貸物件として運用したりと、さらに相続税評価額を下げることができる場合もあります。それらのメリットを享受すべく、特に資産家の方は不動産投資を検討なさることが多いですよね。
――しかし、その不動産投資を失敗してしまうことも少なくないようですよね。
加陽
あまり資産価値が高くならない地方の不動産を購入してしまい、財産を目減りさせてしまうケースが多いのも事実です。賃貸物件の入居者が決まらずその物件を手放すことになったり、手放さないにしても、時価が低いため相続時に圧縮できる価格が少なく相続対策としては効果が薄かったりすることもあります。これらのように、投資先の見極めを誤ったゆえの失敗も少なくありません。
一方で投資した不動産の相続評価額が高く、相続人が支払う相続税が想像以上に高額になる場合も多くあります。結果的に、相続税を現金で支払うためにその不動産を手放すことになってしまうこともあります。

さらに、不動産は流動性の低い財産なので、すぐに現金化するのが難しいという点も知っておくべきところです。現金化を急ぐと売価が希望額に達しないこともあります。また、遺産分割協議においても相続人は現金が欲しいことが多いので、流動性の低い不動産を敬遠して協議がまとまりにくい事例も散見されます。
不動産投資は相続対策に有効な手段の一つであることは間違いありませんが、相続対策に悪影響を及ぼしてしまうことが多いのも事実なのです。
――不動産投資のほかにも、相続対策における失敗の原因はどのようなところにあるのでしょうか?
加陽
相続対策における失敗は、その多くが相続対策のスタート地点を間違えていることに原因があると考えています。前述のようにあまり深く考えずに「不動産を購入する」こともその一つですが、「遺言書の作成」を怠ることでトラブルになることが少なくありません。
遺言書を残さないことで遺産分割協議が揉めたり、協議が長期化するリスクが発生しますし、ご家族や相続人にとっては同居人などによる財産の使い込みや、把握していなかった負債などの問題に直面するリスクがあります。また、現行の民法における法定相続分では、内縁関係にあるパートナーに相続権がなかったり、子どもがいない家庭の場合は財産すべてが配偶者に渡らなかったりと、平等とは言い難い部分もあります。
これら問題のほとんどは遺言書を作成しておけば未然に防止できますし、自分の意思を反映した相続配分も可能になります。また今後は、高齢化社会が進む中で認知症の方の相続問題も増えるだろうと考えています。認知症と診断されると各種契約や遺言書の作成、不動産の売却などができなくなってしまいます。こういう事態になって困らないためにも、やはり早めに遺言書の作成に着手することが不可欠なのです。
相続対策の近道は「財産目録」の作成。しかしそのハードルは高い?

――具体的には、遺言書の作成をどんな手順で進めれば良いのしょうか?
加陽
最初に取り組むべきことは財産目録の作成です。遺言書の作成も含めて、相続対策を行う際は司法書士などの専門家に相談をする方が多いかと思います。その場合も、どこにどれだけの資産などがあるかを把握するための財産目録を作ることが相続対策のスタートです。財産目録があってはじめて専門家も適切な助言ができるようになるからです。不動産投資や資産運用なども、財産目録を作成して全財産を詳らかにした上で検討すべきと考えます。
また忘れてはいけないことに、トラブルを避けるために相続放棄したいと考える相続人が意外と多いことです。そうした考えを持つ相続人が「相続を放棄するかどうか」を適切に検討できるようにするためにも、プラスの財産もマイナスの財産も記録する財産目録は必要不可欠なのです。
自分の父親が他界した際に不便を感じたことから開発を進めたという経緯があります。大切な人を亡くしたときは悲しさに襲われますが、やらなければならないことがありすぎて、悲しんでいる場合じゃなくなることも多いですよね。自分と同じ苦労を妻や子どもにはさせたくないと思い、「サラス」を立ち上げました。
――財産目録の作成が思うように進められない人も多いと聞きます。
加陽
私の場合も相談者に対して、まずは財産目録の作成をお願いします。しかし実際は、なかなかスムーズに進められない相談者も少なくありません。財産をリストアップして記録する作業は手間がかかるので、面倒くさくなって作業をストップしてしまうことが多々あります。みなさんお仕事などがお忙しいこともあって、それだけの時間も手間もかけられないというのが実情なのかもしれませんね。モチベーションを保って財産目録の作成を進められる方はそれほど多くない印象です。
頼ることこそが「スムーズな相続対策」の秘訣

――財産目録の作成にストレスを覚える人は、どうすれば良いでしょうか?
加陽
モチベーションを維持しつつ財産目録を作成できるようにするための秘訣のひとつに、「一人で頑張るのではなく周りに頼る」ことがあると考えています。つまり、財産目録の作成も遺言書の作成も自分ひとりで孤独に進めるのでなく、例えば家族に手伝ってもらいながら作業を進めたり、負債については思い切って相談してしまうことが大切だと考えています。配偶者をはじめ相続人になる人たちは相続漏れする資産があると損をしてしまうので、財産を整理整頓するための財産目録の作成に協力的になることが多いので、思い切ってお手伝いしてもらうのはよい方法です。家族と一緒に取り組むことで、「ほかの銀行にも口座がなかった?」、「保有している株の情報はまとまった?」などとリマインドしあうこともできます。不安や不明点も解決しやすくなるので、心強くストレスが少なく進められるようになるのではないでしょうか。もちろん、私のような専門家に助言を求めたり相談することも有効的だと思います。
私たちがコラボレーションする相続支援サービス「サラス」のようなツールを活用するのもおすすめです。アプリで簡単に財産目録や遺言書を作成できる手軽さはもちろん、財産目録に登録したデータや情報を家族で共有できるので、家族や夫婦で相続対策に取り組みやすいですし、サラスが提示するガイダンスや提案書を確認することで「やるべきこと」を再確認できることも大きなメリットだと思います。もし困ったことがあった場合も「サラス」を通じて私のような専門家にスマートフォン経由で簡単に相談できることも安心できるポイントではないでしょうか。
――孤独から解放してくれるのが、「家族・専門家・サラス」だというわけですね。
加陽
その通りだと考えています。専門家や家族、さらに「サラス」のようなツールをうまく頼ることできっと相続対策を前向きに捉えられるようになるはずです。家族との絆も再認識できて、残りの人生をどう生きるか、家族や大切な人とどう過ごすかなど、後悔しないための人生設計を見つめ直すいい機会にもなりますよね。
相続の専門家が見る「サラス」を使いたい理由とは?

――あらためて、専門家の視点での「サラス」を利用するメリットを教えてください。
加陽
やはり、スムーズな相続対策の近道となる「財産目録」を作成できるという点がありがたいですね。AIによる質問に答えるだけで利用者の相続人の構成や財産状況がわかりますし、逐次情報が提示されるので、安心して相続対策が進められることは利用者にはうれしいことだと思います。預金通帳の写真を撮るだけで財産目録が出来上がっていくので、自力で作成することに比べてかなり手間が省けるので、「サラス」を利用する価値は非常に高いと考えています。スムーズに財産目録が作成できるということは、相続実務にとってはメリットが大きく、例えば遺産分割協議のやり直しなどの時間とお金の浪費を回避することができます。
また、財産目録の作成時に銀行名などを登録できるのも本当に素晴らしい部分です。相続時の作業は銀行ごとに異なるので、各銀行の預金内容などがわかるようになっていると手続きもスムーズになるはずです。
――まずは財産目録を作成するためのツールとして活用するのもよさそうですね。ほかに注目している機能や活用方法はありますか?
加陽
スマートフォンなどで撮影した登記簿謄本の写真をアップロードするだけで、その不動産の住所などのデータを読み取ってくれる機能にも感心しました。ユーザーファーストなサービスづくりが徹底されているなと感じています。また、財産目録も遺言書も常に更新できるものなのですが、「サラス」のようなデジタルツールならそれらの更新・家族とのデータ共有も簡単にわかりやすく行えますよね。
ちなみに司法書士としての実務的な面から考えると、万が一の時の連絡先なども書いておいていただくとありがたいですね。家族関係などはご相談いただくご依頼者一人ひとりが異なる事情をお持ちなので、何も情報が無いと誰に最初に接触したらよいのかと悩むことも多いのです。接触の順番を間違えると話がこじれてしまうこともあるので慎重になる部分です。

――「サラス」は専門家も助けるツールなのかもしれませんね。
加陽
そうですね。ユーザーはストレスが少なくより良い相続対策が進められると思いますし、私としても財産目録作成を「サラス」にお任せすることができれば、専門家としての知識を活かしたアドバイスやご提案により注力できるかと思います。サラスのようにAI技術を用いたサービスを「自分達の仕事を奪うもの」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、私はとてもポジティブに感じています。仕事を奪うものというよりは、専門家の作業負担を軽減してくれるありがたいものという認識ですね。

今回は「サラス」とコラボレーションしサービスを展開する、司法書士の加陽麻里布さんにお話を伺いました。加陽さんによると、失敗しない相続対策の秘訣は「財産目録の作成」から。その財産目録を作成するツールとして「サラス」は非常に有効であることを教えてもらいました。
「サラス」を活用することで1人で苦労したり悩んだりする必要もなく、家族や専門家と一緒に相続対策を進められるようになるはずです。相続対策に前向きになることで、この先の人生を再設計したり有意義に過ごすきっかけにもなるかもしれません。自分も家族や周りの人も安心して暮らすためにも「サラス」で相続対策を見直してみてはいかがでしょうか。
Profile
加陽麻里布(かよう・まりの)
永田町司法書士事務所代表取締役/代表司法書士/行政書士/宅地建物取引士。平成30年、現:永田町司法書士事務所開設。令和4年、パス株式会社(東証STD上場会社)取締役(監査等委員)に就任。司法書士としての業務を行う傍ら、YouTubeでも精力的に情報発信を行う。
永田町司法書士事務所
https://asanagi.co.jp/カヨウマリノ(YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/channel/UCP0Te7BHHQsWHZ23U3Uh5fw記事一覧へ戻る
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